
超回復について色々調べてたら、ホントかウソか分からなくなってきた…実際、超回復って本当にあるの??
こんな悩みにお答えします。
結論、超回復は嘘!というか勘違い。
グリコーゲンのローディングがホント。
超回復のホントの意味
超回復の理論自体は間違っていない
筋肥大させるために重要なこと

この記事を書いている私は、筋トレを始めて10年ほどになります。また大手ジムのトレーナーとして3年、ジムの支配人を勤めて5年目です。
上記の経験を元に解説していきます。
今回は、超回復の本当の意味を紹介しつつ、筋肥大において大切なことも併せて解説していきます。
本記事を読むと、超回復を理解でき正しい筋肉の回復が実行できますよ。
筋トレの超回復は嘘?
✔︎ 超回復について
強い負荷をかけることで傷つき衰えた筋肉細胞が休息によって回復し、さらに負荷を受ける前よりも筋力が強くなる現象。過負荷から2~4日間が超回復の期間といわれ、その期間に過負荷運動を行い、次の回復を待つということを繰り返すことで筋力を合理的に増強できると考えられている。
参考:NTT Resonant Inc.
つまり、
- 筋トレで筋繊維が傷つく
- 休息期間に筋繊維を修復
- 以前より太くなる
ということ。
この理論、実はエビデンスがありません。
じゃ超回復ってなんなの!?ということについて解説していきます。
筋トレの超回復は嘘?
前置きで話した一般的な超回復の解釈ですが、これは嘘・・・というか勘違いになります。
なぜなら上記の超回復についてはエビデンス(証拠となる論文など)が発表されていないからです。
超回復を英語に訳すと「Super recovery」と出てきました。
フィットネス大国のアメリカで「超回復」に該当する意味はありませんが Super recovery とはそのまま「とても回復する」という意味。
「超回復」=「断裂した筋繊維を休ませることで筋肥大する」という意味ではないようです。
筋トレでいう超回復とはグリコーゲンの回復
筋トレにおいて超回復とはグリコーゲンを回復させることです。
✔︎ グリコーゲンとは?
動物デンプン。ブドウ糖 (D-グルコースともいう) を構成糖とする多糖。動物に摂取された糖は肝臓でグリコーゲンに変えられて貯蔵され,このグリコーゲンがさらに分解され,筋肉などに移動してエネルギー源として働く。
参考:The Asahi Shimbun Company / VOYAGE MARKETING, Inc.
つまり、筋トレに使われるエネルギー源のことです。
筋トレをすることによって筋肉のグリコーゲンが減ります。
これを回復させることで、いち早く疲労回復させることが可能です。
グリコーゲンを回復させるにはバナナやおにぎりなど「炭水化物」を摂取しましょう。
素早く回復させるために「マルトデキストリン」もおすすめです。
筋肉を作る栄養素としてプロテイン(タンパク質)だけでなく炭水化物も必須なので、筋トレ後はプロテインとマルトデキストリンを摂取するとより効果的ですね。
関連記事 >> マルトデキストリンとは?効果や摂取タイミングはいつ?
グリコーゲンを回復させることで次の筋トレでまた力を発揮できる
筋トレによって枯渇したグリコーゲンを回復させることで、次の筋トレでまた力を発揮できるようになります。
なぜなら前述したように筋トレで使われるエネルギー源だからです。
超回復 =「グリコーゲンを回復させる」ことで次の筋トレへの準備ができます。
例えばグリコーゲンが枯渇している状態というのは、ガソリンが残り少ないトラックと一緒です。
トラックともなると馬力があり長距離運転も可能ですが、それを動かす燃料がなければ到底荷物を目的地まで運ぶことはできませんよね。
私たちの体も同じで、筋トレで最大限の力を発揮したければエネルギーを満タンにしておく必要があります。
なのでグリコーゲンを回復させることはとても重要なのです。
グリコーゲンは筋トレ後、どれぐらいの期間で回復できるのか?
ではグリコーゲンはどれぐらいの期間で回復することができるのでしょうか?
プロテインメーカーのDNSのサイトにはこう記されています。
Burke et al.の報告では、よく鍛えられた持久性アスリートの骨格筋は糖を取り込む能力が高く、高糖質食摂取後24時間程度で筋グリコーゲンが最大まで回復するという特性を応用したものである。
参考:Burke, L. M., Van Loon, L. J. C. & Hawley, J. A. Postexercise muscle glycogen resynthesis in humans. J. Appl. Physiol. 122, 1055-1067 (2017).
上記の文献では大体24時間でグリコーゲンは最大まで回復できるとのこと。
グリコーゲンが回復すれば筋肉痛が残っていても筋トレを再開してもOKということになります。
そもそも筋肉痛は筋肉の炎症ではあるものの、メカニズムは解明されておらず、人によっては数日間続く場合もありますし、筋肉痛に全くならないという方もいます。
筋肉痛がこないからといって筋肥大しないというわけでもありません。
私個人の意見にはなりますが、筋肉痛がある場合に筋トレをすると、痛くて重量も上がりませんし、休むべきだとは思います。
筋肉痛が治るまでにかかる時間は24時間〜72時間ぐらいと言われていますが、筋トレの強度によってそれ以下にもそれ以上にもなり得ます。
このことから、何時間がベストとは言い切れません。
小話「ベンチプレッサー」の友人は毎日ベンチプレスしている話
※少し余談なので、先に進みたい方は読み飛ばしてください。
私の友人でベンチプレスの大会で優勝経験がある方がいます。
(詳細な重量は忘れてしまいましたが200kgとか挙げていたと思います)
その友人のトレーニング内容は「ほぼ毎日ベンチプレス」。笑
パワーリフティングのベンチプレスに特化し、競技として行っているので筋肥大ではなく「筋出力の向上」が目的です。
私は彼に下記の質問をしました。

毎日ベンチって・・・筋肉痛とか回復とか考えてないの?
友人の回答がこちら。
「セット間に20分〜30分ぐらいはレスト(インターバル)をとっているから大丈夫。筋肉痛があっても関係ないよ。ていうか毎日ベンチプレスしていると筋肉痛はこない。試行錯誤しながら練習してるだけ」
とのこと。。。
その友人の大胸筋と腕(三頭筋)はとんでもなく発達しており、山のように膨れ上がっています。
本人は筋肥大が目的ではありませんが、重量に伴って筋肉は大きくなるようです・・・。
一般的に筋肉痛の時に同じ部位は鍛えるのはNG、毎日筋トレはNGと言われがちですが、そういうわけでもなさそう。
ただ怪我のリスクは確実に増えますし、そもそも目的が筋力向上なのであまり参考になりませんが、このような人もいるのも事実です。
注目したいのはインターバルの長さ。
一回のトレーニング時間が4〜5時間かかるらしいですが、ほぼインターバルです。笑
なかなかマネできるものではありませんね・・・。
筋トレ超回復の理論自体は間違いではない
超回復という言葉の意味自体は勘違いされがちですが、この理論自体は間違っていません。
なぜなら筋トレをすると疲労し、それを回復させることで筋肉が大きくなるからです。
筋肥大させるために重要な基本知識を解説します。
まずは強いストレスを与えることが筋肥大へ第一歩
では筋肥大はどのように起こるのか?
これは筋肉へ強い負荷(ストレス)をかけ脳を騙すことが重要です。
人は危機的状況に出くわすとそれに適用しようと進化してきました。
筋トレはこの状況を意図的に作り出す作業といえるでしょう。
例えばベンチプレスを100kgでトレーニングしているという状況は「100kgの負荷を体にかけている」ということになります。
現代の日常生活では、自然にこんな状況に出くわす機会はなかなかありません(あったら怖い)
この時脳は「100kgの重りに耐えなければいけない」と錯覚し、筋肉に命令を出します。
ただ、何度も100kgのベンチプレスをしていると、少しずつ脳も筋肉もこの重さに慣れだします。
そこで重りを10kg、20kgと追加し、さらに負荷をかけることによって
「今度は110kg、120kgの重さに耐えなきゃいけない!」
と錯覚し、それに耐えるために筋繊維も太くなっていくのです。
筋肥大させるためには食事と睡眠
脳を騙した後は、食事と睡眠で筋肥大の手助けをしてあげましょう。
なぜなら筋肉の元になる栄養は「食事」から、成長ホルモンは「睡眠」から得られるからです。
この2つがないと筋肉は大きく成長してくれません。
関連記事 >> 筋トレは食事が大事!実はトレーニングより重要?簡単な計算方法も!
例えば、映画を1本作るためには様々な要素が必要です。
台本があって、俳優がいて、カメラマンがいて・・・何ひとつ欠けていても映画は完成しませんよね。
映画監督は体づくりでいう自分自身です。
どんなトレーニングをして、どんな食事をとって、どれぐらい睡眠を取るのか・・・その全ての要素が組み合わさって理想の体が手に入ります!
もし自分自身が「配給会社」なのであれば監督をパーソナルトレーナーに任せてみるのもひとつの手ですね。
つまり、筋肥大を引き起こすためにはトレーニング、食事、睡眠全てが重要ということです。
まとめ:筋トレにおいて超回復とはグリコーゲンを回復させること
いかがだったでしょうか。
理想的な体になるためにはトレーニングも回復もとても大事。
「休むこともトレーニングだ」
という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。
筋トレってハマりだすとついついやりすぎてしまいますがオーバートレーニングになってしまうと筋肉が減少する可能性もあるので注意ですね。
関連記事 >> 筋トレでオーバーワークになった辛すぎる実体験!休筋日は必須です!
では、良い筋トレライフを!
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